産後の下痢の原因と対処法|知ってすっきり快便のコツ
産後の下痢に悩まされるママさんは決して少なくありません。排便に関する事だけに恥ずかしくて誰にも相談できないという方もおられます。
しかしながら、種類によってはすぐに病院に行かなければならない場合もあります。
このページでは、産後の下痢の原因や種類、症状別の対処法など、正しい知識を知って快便になれるよう一緒にひとつずつ確認しながら見て行きたいと思います。
産後の下痢の原因
冒頭でも触れましたが、産後の下痢に悩まされるママさんは決して少なくありません。
症状にも様々なものがあるだけに正しい対処と対策が必要です。
まずは、産後の下痢の原因から一緒に見て行きましょう。
ストレスとホルモンバランスによる下痢
産後の下痢の原因としてもっとも大きなものがストレスとホルモンバランスによるものです。
妊娠中に変化したホルモンバランスは、通常時の状態に戻るまでに早くても3ヵ月。
ペースがゆっくりめの方では半年はかかると言われています。
ホルモンバランスは、産褥期(産後の肥立ち:床上げ)で充分にゆっくりできなかった方では回復が遅くなる傾向にあります。
また、産後の赤ちゃんの子育ての授乳やお世話の忙しさや分からない事が多い事に対する不安もストレスの原因になります。
この下痢についての対策は後ほど詳しくご紹介します。
骨盤のゆがみと骨盤底筋による下痢
骨盤のゆがみは、経膣分娩で出産された方は当然おこりますが、帝王切開で出産されたママさんでも骨盤を緩めて産道を広げやすくするためのリラキシンというホルモンによって起こり得ます。
また、栄養状態の良さによって赤ちゃんが少しずつ大きくなっていく傾向があり、会陰切開で出産される方が増えており、骨盤底筋がダメージを受けている方もおられます。
こういった骨盤関連の産後トラブルによる下痢は起こりやすいと言えます。
この対処法も、赤ちゃんのお世話をする時の床上での座り方で骨盤矯正を行う方法や体操などをご紹介します。
食生活による便秘からの下痢
産後の食生活の乱れによる便秘からの下痢に悩まされる方も決して少なくありません。
産後に体質が変わって、脂っこいものが食べたくなったり、甘いものや辛いものが無性に食べたくなったりしていませんか?
これらは肝臓から分泌される胆汁酸や胃液では消化しにくいもので、繰り返して毎日食べていると、消化不良を起こし便秘の原因になります。
これが悪化した事によって下痢の原因になるケースもあるんですよ。
食生活の乱れはもっとも便秘や下痢の症状につながりやすいので、後ほど詳しく見て行きたいと思います。
会陰切開の傷で便秘から下痢になってしまう方も
産後の下痢の原因として便秘からの下痢がありますが、会陰切開の傷が怖くて排便できず我慢しているうちに便秘になり、それが高じて下痢になってしまうママさんもおられます。
先ほどの骨盤底筋のダメージや骨盤のゆがみのお話しの際にも触れましたが、近年は3,500g以上の赤ちゃんを出産される方も多くその際には会陰切開を行って会陰裂傷を防ぐケースが多々あります。
『会陰切開や裂傷の傷口が開いてしまうかも・・・』という心因的な悩みが絡んできますので、後ほど詳しく対処法を見て行きましょう。
産後の自律神経の乱れ
産後の自律神経の乱れも下痢や便秘の原因となりやすいことをご存知でしょうか。
自律神経というのは体温を正しい状態に調節したり、睡眠の管理、腸の蠕動運動をコントロールする働きも持っているため、自律神経の乱れも正していく必要があります。
育児や家事など慣れないことでも産後は自律神経が乱れやすい時期でもあります。
このような原因で下痢や便秘も起こりやすく、また母乳のために睡眠不足になっている状態でも自律神経は乱れてしまいます。
産後の自律神経の乱れはある程度は誰もが悩むものなので、うまく付き合っていくことが重要になってくるのですが、できる範囲で睡眠不足を解消したり、ストレスのためにくい工夫なども下痢や便秘の解消にはポイントになってくるんですね。
産後の免疫力の低下
産後という時期は、出産という一大イベントによってママさんの体力も落ちていて、そのために免疫力も低下している状態にあります。
妊娠中から免疫力の低下は起きており、体の中に侵入したウイルスや細菌などに感染しやすい環境になっているため下痢やおう吐なども起きやすくなっています。
これは体が少しでも体に害のあるものを外へ排出しようとする正しい働きがおきているので下痢の原因となりやすいんですね。
このような下痢は要注意!すぐに病院へ
実は、産後の下痢の原因のひとつに見過ごしてはならない怖いものがあります。
それは、産褥期にゆっくりできず回復が思うに任せられなかった方に見られる下痢で『感染症による下痢』です。
下痢の中に鮮血が混じっている場合、また吐き気や嘔吐、長く続く腹痛と水便が酷い方については『O-157』や『ノロウィルス』の感染が考えられます。
産後の肥立ちがゆっくりできなかった方の場合は、体力の低下から免疫力低下、および免疫寛容といった状態を招いているケースもあります。
先ほどの鮮血が混じっている便や吐き気と嘔吐、腹痛や微熱が長く続いている方は、すぐに病院へ行って診断を受けましょう。
その際に、産後の授乳期である事も伝えて、飲める薬を処方してもらったり対策を相談するといった事が必要です。
産後の症状別の下痢対策
産後の下痢対策は症状に合わせて正しい方法を採る事が大切です。
症状の悪化につながる可能性もないとは言い切れないからです。
ホルモンバランスとストレスによる下痢対策
産後の下痢対策で、ホルモンバランスやストレスが原因にある方の場合は外部からの手助けが必要です。
実家や義実家のご両親にお願いする事やそれが出来なければ、月一回はベビーシッターを頼んだり、産褥院や助産院と呼ばれる施設で数日間過ごしたりという対策が良いかも知れません。
リラックスできる時間や空間が確保できる事で、ストレスの軽減やホルモンバランスの回復が図れるなどのメリットがあります。
また、スペシャリストの知識で赤ちゃんのお世話もしっかりと受けられて、
疲れにくい抱っこの仕方や夜泣きしにくい寝かしつけ方や授乳のコツなども教えてくれるなどのメリットもありますよ。
このような施設やヘルパーなどの人材を活用する方は年々増えているのも頷けますね。
骨盤のゆがみ・骨盤底筋ダメージの下痢対策
骨盤のゆがみや骨盤底筋のダメージが原因で下痢になっている方の場合は、ゆがみ矯正とダメージ回復が大切です。
骨盤矯正のためのベルトを巻いたり、座り方でも横座り(いわゆる“お姉さん座り”です)はせず、足裏を合わせたあぐらを心がけると良いでしょう。
また、ダメージ回復という意味で、産後の休息を充分に取ることも大切ですが、骨盤底筋体操を行う事で、回復を促す事も必要な対策になります。
食生活の乱れによる便秘からの下痢対策
産後に体質が変わって、無性に甘いものや辛いものを食べたくなる方は便秘も下痢も起こしやすいと言えます。
やはり、極端な味付けのものは避けて、ゆっくり噛んで食べるようにする事が大切です。
また、もうひとつの産後の食生活の乱れとして挙げられる原因が子育ての忙しさが高じて、いつの間にか自宅の中なのに立ち食いになっていたり、早食いになっていたりしていませんか?
もし、こういった乱れに覚えがある方は、間食を中心にしてゆっくり噛んで食べる代わりに1回の食事量を減らして様子を見ると良いでしょう。
もし、これで便秘や下痢が解消されない場合は、腸内フローラが乱れている事も考えられます。
飲むヨーグルトや味が味付けを薄めにしたお味噌汁を飲んだり、また菌活ドリンクを飲むというのも良い解消法です。
会陰切開や裂傷の傷による便秘と下痢の対策
産後に会陰切開や裂傷の傷が気になって排便が出来ない方も多いのは先ほどもお話ししましたが、
実際には排便によって会陰切開や裂傷の傷が開いてしまう事はありません。
もし、会陰切開や裂傷の傷が気になって便意を我慢しておられるなら、妊娠後期に産院で指導されている会陰マッサージを行ってみて下さい。
皮膚の柔軟性が上がれば、その分精神的な恐怖も和らげることが出来ます。
妊娠線予防クリームが余っていたり、オイルがまだ余っているという方はそれを使う事も出来ますし、新しくクリームやオイルを購入するのも良いでしょう。
温めながらしっかりマッサージしてあげる事が大切ですね。