産後のむくみについて
妊娠中の後期にもむくみがあって、出産を終えてやっとあのむくみから解放される…と思っていたら産後の授乳中にもまたむくんできた。
こんな悩みを持っているママは、本当にたくさんおられます。
そこでこのページでは産後のむくみの原因と自然に治るのかどうか。そして対処法や改善法はどういったものがあるのかを詳しく見ていきたいと思います。自宅でできる簡単なものから、お勧めの薬もご紹介しますのでもしよかったらご覧になってみてください。
産後のむくみの原因は?
産後の子育て中に起こるむくみの原因は、出産によって赤ちゃんがいた子宮の中の羊水や
お産のための出血によっても体の中の水分が一気になくなってしまうことで、
一時的に水分バランスが見られた状態になってしまう事が1番の原因です。
また、特に完全母乳で育てている方にとって1番顕著なものとして『水分不足』が一番大きな原因です。
人間の体は水分不足が起こると、食事の中からでもナトリウムを集めて、水分と結びつけて体の中にたくわえようとします。
これはナトリウムカリウムポンプという体の中の仕組みによって起こることなのですが、
体の中で水分を蓄えるする働きが起こるのは産後の授乳中ならではの強い症状といえます。
また、産後のむくみは特徴として脚(足や足首も)顔に出てしまう方も多いんです。
このページでは広く『産後のむくみ全体』を扱っているので、
産後の足のむくみの原因は?
産後の足のむくみの原因は、やはり先程のような体内の水分バランスが乱れる事がそもそもの原因。
足にそれのむくみが集中してしまう理由は、また別のところにあります。
もちろん体の中の水分自体が重力によって足に偏ってしまってむくみが下半身に集中する『下半身太り』に近い状態が起こるのですが、
これを解消するにはやはり冷えを解消して血流を良くする事がまず1番の対策になります。
こうして、産後のむくみが起こりにくいような体の巡りを整えて行くと『セルライト対策』としても有効ですよ♪
そしてまたもう一つの理由としては食生活で塩分を摂りすぎているかもしれないという可能性もあります。
もともと塩分の高い食事が好きだった方もおられますし、逆に妊娠中の高血圧症候群の予防のためにずっと長く塩分の高い食べ物を我慢してきた方で、
産後の食生活の中で子育て中の忙しさ故にお茶漬けの中に塩分の高いおつけもの入れて
一緒にかっこんで食べたり…結構無茶な食生活になってしまいやすいといえます。
産後の顔のむくみの原因は?
産後の顔のむくみの原因は、足のむくみを改善しようとして夜寝ている時に足を上げて寝ていたり、する事が原因と考えられます。
またもう一つの要因としては妊娠中に高血圧気味だった方は産後にも顔がむくみやすくなるといえます。
ですので、もし頭がクラクラしたり、頭痛が起こったりするような場合は、病院で血圧を測ってみてください。
また来することで、産後の高血圧などの重大な病気につながる危険性を早めに察知することができます。
ただしこのむくみについては一時的なものではありませんので一般的な産後すぐのむくみについてはこの次の段落で詳しく説明していきます。
産後のむくみは一時的なもの?
産後のむくみは一時的なものもあります。それがこのページの冒頭でもご紹介した出産による水分バランスの乱れです。
このお産による体の中の一時的な水分バランスの激変は比較的早く解除されます。
これはあくまでも一時的なものだからなんですね。
ではこの一時的な産後のむくみがどのくらいまで続いてしまうのか
その解消するまでの間は何か気をつけなければいけないことがないのかも見てみましょう。
産後のむくみはいつまで続く?
産後の水分バランスの乱れによる一時的なむくみは、多少の個人差はありますが、
基本的に産褥期が終わる6週間目から8週間目(産後2ヶ月目)頃まで続くと言われています。
ですが、産褥期が終わる頃には基本的には、そのまま放っておいても『産後すぐのむくみ』は自然と治って行きますよ。
というのは体の中で水分をいっぱい蓄えておくことによって産後の産褥期における身体の回復を促すをとする働きが体自体にあるからなんです。
産後のママの体はダメージをとてもたくさん引きずっている可能性もあります。
もちろん個人差はあるのですが、妊娠中に微弱陣痛でお産に時間がかかった方や会陰切開、会陰裂傷、悪露の排出、子宮の戻り、ホルモンバランスの変化など
回復しなければならない部分がたくさんあるからです。
そのためには体の新陳代謝を良くしておく必要があり、そのためにも水分がいっぱい必要という事なんですね。
なので、お産が終わってすぐに起こる“むくみ”については基本的に心配の必要はありません。
また、逆にこの時期のむくみは、却ってむくみを解消しようとせずに身体の回復を最優先にしてあげましょう。
そして、産後2ヶ月を過ぎて身体の回復も順調なのにその後も続くむくみについては、
解消法がたくさんありますが、ここでは主に自宅で簡単にできるものや漢方や市販の薬などについて見て行きたいと思います。
産後のむくみ解消法
産後のむくみ解消法は、先ほどご紹介した通り、いくつもの方法があります。
主なものを挙げると・・・
- 足湯
- リンパマッサージ
- 漢方薬
- 市販薬
主にこれらのものがあります。
その他にも、着圧ソックスなどもありますが、産後に長く続いているむくみには
高血圧など病気につながってしまうものも含まれているため、
着圧ソックスのように表面的に『抑え込んでしまう』対処法はあまりおすすめできません。
足湯
足湯は、産後に長く続くむくみに対しても改善効果が期待できます。
というのも足湯で足の毛細血管を温めてあげて血管を拡張させてあげることで血流を良くすると『細胞間液』という
体の中のむくみの原因になる水分を血管が回収する役割を果たしやすくなるからです。
また、足湯にはストレス発散効果も期待できますから、できる範囲で構いませんのでこまめに行いたいところです。
リンパマッサージ
リンパマッサージも足のむくみを改善する良い方法の1つです。
ですがこちらは、お風呂に入ったときに湯船の中で行うのが一番効果が発揮できるはずです。
というのもお風呂の中でやると、体も温まっていますし、毛細血管の血流も良い状態になっているからです。
ただし、間違えないで欲しいのがリンパマッサージはあくまでも体の老廃物を体の外に流すためのものであり、
足の場合は体の中心に向かってむくみの原因になっている老廃物を集めて来なければいけません。
そのためには、足先⇒ふくらはぎ⇒膝⇒太もも⇒鼠蹊部へと向かって、あまり力を入れすぎないようにゆっくりさすりながらリンパ液を戻してくるようにしましょう。
またそのあとで尿や体の汗という形で、むくみの原因になっている水分を排出できるはずです。
ですがその後にも再び必ずまっさらなお水を補給するようにしてください。
決してコーヒーや甘い飲み物やスポーツドリンクなどを補給してはいけません。
あくまでも全く何も入っていない普通のお水を飲むようにしてくださいね。
産後のむくみに効く漢方薬
産後のむくみ解消に効く漢方薬は、大きく分けて3つあります。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 柴苓湯(さいれいとう)
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
これらの3つの漢方薬が、産後のむくみに効く漢方薬として処方箋薬局などでも処方してもらうことができます。
もちろん処方箋薬局ですから当然処方箋が必要になりますので産婦人科婦人科、クリニック受診しましょう。
中には漢方薬を処方していない病院もあるため、事前にホームページで確認したり病院に電話で問い合わせをしておくと安心です。
漢方薬には保険が聞かないイメージがありますが、今では多くの病院が保険適用の範囲内で漢方薬を処方してくれますよ。
また個人の薬局でも購入することができますが、その場合は症状をちゃんと伝え自分自身に合った複数の生薬を配合して漢方薬を作ってもらうことになります。
自分自身の症状をちゃんと調剤師に伝えることができることと聞かれた返答にある程度答えられるようにしておいた方が良いと思います。
病院に行かなくても直接買うことができるので、時間がない人や症状が軽い人の場合にオススメですよ。
産後のむくみに効く市販薬は?
産後のむくみに効く弛緩薬は、利尿医薬品として有名なラシックスがあります。
ラシックスはサプリメントではなく医薬品ですので、病院で処方箋を出してもらう必要があります。
ラシックスの有効成分であるフロセミドは腎臓に作用して、むくみの原因となる過剰な水分と塩分を尿として体の外に排出します。
ただし強力ないにお効果によって短時間のうちに体内が水分を減少させることで大幅に血圧を下げる事になってしまい、
産後に血圧が低い方の場合はラシックスを処方してもらいたくても出してもらうことができない場合もあります。
この辺は診断を受けた病院の判断になりますので
その診断には従って低血圧を治すためにしっかりとした食生活を心がけるようにしましょう。
また市販のサプリメントとしてはアンチスタックスがSS製薬から発売されていますが
、こちらの方が先程のラシックスに比べるとあくまでもサプリメントですので、ラシックスに比べると効果は期待できません。
ただし安全性に関してはあくまでも産後の塩分過多によるむくみを和らげる効果が期待できますから、有効な選択肢のうちの1つではあります。
産後のむくみ解消のためのポイントまとめ
産後のむくみを解消するためのポイントをまとめると次のような項目になります。
- 産褥期の一時的なむくみは気にしない
- 水分不足に注意する
- 塩分を控えた食生活
- 適度な運動
- カリウムを摂れる野菜中心の食生活
- 身体を冷やさないこと
- リンパマッサージなどもお風呂で行う
(むくみやすいから水分を摂らない!というのは間違い)
(赤ちゃんの抱っこでも充分な運動です)
(悪露が出ている間は入れません)
このようなポイントが産後のむくみを解消するためや、むくみでストレスをため込まないためのコツです。
中でも、特に水分不足は注意しましょう。
そして、水分補給はスポーツドリンクやジュースなどお砂糖や甘味料を添加した飲み物ではなく
ミネラルウォーターや麦茶などで行うようにしましょうね。
また、水の質にこだわるのは母乳の質に直結するのでウォーターサーバーの無料レンタルを申し込むママも多いようですよ。
もし『完母』で育児をされている方の場合は、カフェインの摂取も授乳中は出来る限り控えたほうが良いですよ。
また、むくみに効くカリウムやミネラルが摂れるお茶もあるので、そういったお茶を飲むのも良い方法です。
また、授乳も水分を出すことになるので、体は母乳分の水分をさらに貯めようとします。
こういった状態に育児によるストレスや睡眠不足、環境の変化などが原因で自律神経も乱れたりすると
ホルモンバランスも改善しようとしているのに整っていかなかったりするんです。
産後の疲れや、夜泣きなどによる睡眠不足もその状況を加速させて、更に一層むくみやすいようになってしまうのです。