授乳中の食中毒に要注意!危険な食べものや保存について
このページでは、特に授乳中に注意しておきたい「食中毒」について詳しく見て行きたいと思います。
一見すると産後の授乳中の子育てとは関係が薄いように感じるかも知れませんが、生まれたばかりの赤ちゃんにとってはお母さんのおっぱいが「栄養源のすべて」ですから、お母さんであるあなた自身が食中毒で体調を崩してしまうことは死活問題です。
結論から言ってしまうと、たとえお母さんであるあなたが「当たってしまって」で体調を崩してしまったとしても、授乳自体はやめる必要はありません。
というのも、たとえ賞味期限切れの食べものや保存状態が悪い食べものなどで体調を崩しても、それが母乳を通して赤ちゃんに伝わってしまうことはないからです。
とはいえ、体調を崩している状態では赤ちゃんのお世話に支障が出てしまいます。
そこで、特に夏に起こりやすい食中毒にテーマを絞って詳しく予防法を知っておくことも大切になってきます。
また、同じ食中毒でも古くなったご飯やおかずを食べたのとは違う「本当に危険で注意が必要な食中毒」も存在します。
つい最近、わたしの地元の埼玉県(しかも熊谷の籠原は隣町です)やその他の群馬や川越などでも連続多発で起こった「O-157」の中毒は激症性の出血を伴う食中毒は非常に危険なことは皆さんもご存じの通りです。
食中毒の原因菌に違い
食中毒は主に2つに分けることができます。
- 古くなった食べ物で起こる自然腐敗菌(空気中の雑菌付着)による食中毒
- 細菌感染性の病原菌による食中毒
この2つは危険性の高さでまったくの別物7と言って良いもので、後者の病原性細菌群による食中毒は命に関わりかねないものもあります。
ただし、この2つの食中毒には「食べた時点でのニオイや食感の違い」があります。
前者の自然腐敗や雑菌付着によるカビ発生、黄色ブドウ球菌やリステリア菌の繁殖などによるものは口にした瞬間に「ネバ付き」や「ニオイ」などの明らかな変質があり、気づきやすいので避けることができます。
また、調理前の食材の時点でもネバネバすることや、ニオイがするなどの違いがあるため避けやすい食中毒です。
しかし、後者の病原性細菌群による食中毒は、毒素感染と言ってサルモネラ菌やボツリヌス菌、病原性大腸菌のO-157などの劇症性の感染病に至るため非常に危険なことはご存じの方も多いでしょう。
また、後者の病原性細菌群による食中毒は口にした時点ではなんの異常も感じられないものも多く、しかも潜伏期間もあるため原因になる食べものを食べた後で1週間も経過してから発症することもあるため原因特定が難しい場合もあります。
やはり、徹底的な殺菌・滅菌管理が大切と言えます。
食べた時点で気づくことが難しい細菌群による後者の食中毒にならないためにも予防のためにどうすれば良いのかを知っておきたいですね。
では、自然腐敗ではない病原性細菌群による食中毒の予防のポイントやそれらが繁殖しやすい環境・食材について見て行きたいと思います。
病原性細菌群による食中毒予防のポイント
病原性食中毒を引き起こす細菌群の種類と繁殖しやすい食材や食品を見て行きましょう。
- サルモネラ菌(鶏肉・豚・牛肉など)
- カンピロバクター菌(食肉・飲料水)
- 病原性大腸菌(O-157など)
- 腸炎ビブリオ菌(海産物全般)
- ウェルシュ菌(水質・加熱調理品、カレー・シチューなど無酸素状態の食品)
- 赤痢菌(貝類・水・生野菜)
- コレラ菌(水・貝類・えびやカニなどの甲殻類)
これらの種類や食材、食品が病原性細菌群の繁殖しやすい代表的な食材や環境になります。
わたしたちが普段から口にする食材や飲料水などが感染源になるため、非常に身近でかつ危険性が高いのが病原性食中毒の恐ろしさです。
これらの病原性食中毒を予防するためのポイントは簡単に言えば『十分な加熱調理』です。
これらの病原性食中毒菌のほぼすべてが『75度以上で1分間以上の加熱で死滅』というのが目安になります。
夏は、食べものが腐りやすいというのは皆さんご存じの通りですが、これらの病原性細菌群の繁殖は『食べものの自然腐敗とは違う』ということを注意しておきましょう。
また、前述の中で唯一加熱した調理品でも存在するウェルシュ菌は「嫌気性菌」という種類の菌で酸素に触れることで殺菌・滅菌できますが『水分の中に存在する菌』で、充分な加熱調理と加熱した食品は出来る限り早く食べることが予防のポイントになります。
これらの感染性病原菌による食中毒の症状は、激しい嘔吐や下痢、発熱、腹痛などの症状が現れます。
また、自分が感染することで間接的に赤ちゃんにも感染するので『自分の身を守ることが赤ちゃんの身も守ることになる』ということは充分に意識した食生活が大切になります。
間違っても『井戸水を使って調理や加熱した食品を保存する』ということはしないように注意しましょう。
では次に、赤ちゃんに感染する可能性があるという点でノロウィルスやロタウィルスの対処法と予防を見て行きましょう。
ノロウィルス・ロタウィルスの注意すべき時期や予防のポイント
ノロウィルスやロタウィルスなどの集団感染が問題になる時期は秋口から冬にかけての時期であることはご存じの方も多いかと思います。
誰かがノロやロタに感染して、その吐しゃ物や便から感染するイメージがありますよね。
ですが、吐しゃ物や便に直接みんなが触れるというわけではなく、それらを処理した人が触れたドアノブや水道の蛇口のノブ、テーブルの表面などに付着した菌に触れることや風邪をひいた人が咳き込んだり、くしゃみなどをした空気を吸うことによって「飛沫感染」することが原因です。
ノロウィルスもロタウィルスも普通に空気中に存在する病原菌なので集団生活の中では油断できない病原菌と言えます。
仮に自分が感染した場合も、マスク、うがい、手洗い、アルコール消毒を徹底的に行うことで二次感染を防ぎましょう。
もちろん他人が感染していて、たまたま潜伏期間で気づかず感染してしまう可能性も高いので「うがい・手洗い、マスク、アルコール消毒の徹底」が大切になります。
また、体調がすぐれないと感じる時は赤ちゃんに口づけをするなどはもってのほかということを意識することが大切です。
『今日はお腹の調子が悪いなぁ・・たまたま下痢なだけかな・・?』という場合でも大人のわたし達の持っている免疫に比べて赤ちゃんの未完成な免疫では症状が重症化してしまう場合もあることは意識しておきましょう。
子育て中の普段の生活の中で注意したい予防のポイントとしては、テーブルを拭くときは『テーブルふきんではなくアルコールを含ませたティッシュで汚れを拭きとる」ということです。
先ほども言いましたがノロウィルスやロタウィルスはテーブルやドアノブ、水道の蛇口のノブなど「普通に毎日触るものによる二次感染がもっとも怖い」という自覚が大切になることを忘れないように授乳中や子育て中の毎日を安全なものにしていきましょうね。
ママが食中毒になった場合、赤ちゃんにうつるの?
ママが食中毒になってしまった場合、特に授乳中のママさんの場合は赤ちゃんにうつるのかどうか、とても気になりますよね!
何か悪いものが母乳を通じて赤ちゃんに悪影響があっては・・・。
そう思うのも当然です。
しかし、安心してください。
ママが食中毒にかかったからといって母乳を通じて赤ちゃんにうつることはありません!!
ただし、食中毒によってママの身体が水分不足になってしまった場合は注意が必要です。
母乳というのはママさんの体の水分と血液が主な成分なので、水分不足だけは注意してください。
食中毒には日本においても何種類かありますが、その食中毒の菌が血液に入ることがないんです。
なので例えママが食中毒になっても安心して授乳ができるということになります。
ここまでは母乳が原因となってママの食中毒が赤ちゃんに移るのかを見ていきましたが、
食中毒のうつる経路はそれだけではありません。
食中毒は大人でも感染力の高さに症状の悪化や感染範囲の拡大がよくニュースになります。
食中毒にかかってしまったママは、こまめに手洗いが必要になるのと同時に、
洗濯ものなども赤ちゃんのものとは分別して行ったほうがいいと思います。
お風呂も感染経路となり得るので、赤ちゃんの入った後にママは入るようにしましょう。